令和元年上半期 天徳寺慈しみ基金活動報告

インド困窮農村児童支援事業

支援している農村(ラフールナガール)で計画した塾が始まりました。村の小学生4~6年生の多く(35人)が塾への申込みをしました。費用は無料で、週二回、午後2~4時まで、算数と英語を教えることになりました。ひとりの先生が4~6年生を一斉に教えないといけないため、日本での公文式のような、問題のプリントを解き、それを随時先生に見せるという形態をとる事にしました。

 

 問題用のプリントがインドにはありませんので、住職がインドの教科書と日本の諸問題集を用意して、テキストを製作しました。また、英語はそのテキストに準じた発音を、知り合いのイギリス人に録音してもらいました。テキストはまだ7月までの分しか出来ていませんので、現在も作った分だけネットで送り、使ってもらっています。

塾に通う子供達
塾に通う子供達
住職手作りの教材
住職手作りの教材

 なお、塾が始まって3か月たちますが、子供たちは依然として真面目に通ってきています。前のレポートでも書きましたが、村の小学校では先生が休みがちであると共に、教え方がお粗末なものである為、子どもも勉強への意欲が保たれないで、不登校になることが多いのですが、教育を提供する側がちゃんとすれば、子供は意欲的に勉強に取り組むということが分かりました。このまま継続的に子供たちが通ってくれるように教材作りなど工夫していきたいと思います。

 もしこの塾がうまくいくようであれば、他の貧しい村々でも塾を開くことも夢見ています。

手術が必要な女の子の支援事業

ドルティーちゃん
ドルティーちゃん

 ラフールナガールの隣村で、足とお腹が腫れあがった16歳の少女の記事を書きました。手術をするための200万円ほどの費用を捻出するために、テレビ局や新聞社を通じて、広く支援をお願いしようとしましたら、会員の方に産経新聞を紹介していただき、今年2月に新聞記事が出ました。おかげさまで反響もあり、約300万円の寄付が集まりました。そこでその病気の少女の手術の面倒を、塾プロジェクトのサポートをしてくれているアヌープ夫婦に依頼し、精密検査をインドの大都市コルカタ(旧カルカッタ)で行いました。その結果、脂肪腫という良性腫瘍で摘出する治療方針が出てきました。しかし、その検査結果を日本の有能な外科医に見せましたら、悪性のリンパ腫でないかと助言して頂きました。そしてもし悪性であれば、手術内容も変わるため、コルカタの病院で手術する前にかならず生研(細胞を採取して悪性かどうかを判断)を行わないといけないと言われました。インドでは駐在外国人が使う高度医療を提供する病院だと聞いて受診したのですが、適当な判断をするものだと驚きました。とにかく来月中にも再度、病院で生研を依頼して、その結果を待って手術を受けさせることにします。


 当初は村のある州の国立病院で診察を受ける予定でした。そこで出た費用予算が200万円でした。しかしそこで手術すると設備の不十分と医者の技術が未熟であることが分かり、そこでの手術を断念。更に高額なコルカタの病院におちついた経緯があります。 

 遠方のコルカタの病院でリハビリを1~2ヶ月する必要があり、義足も作るとなるとその費用も含めて当初の予定(村のある州の国立病院)より500万円程度の費用が掛かりそうです。まだ200万ほど足りません。

診察を受けるドルティーちゃん
診察を受けるドルティーちゃん

 ちなみに昨年の慈しみ基金への寄付額は242万6245円でした。支出は234万97円。(ミシンプロジェクト、マンゴープロジェクト、塾の立ち上げ費用に98万1000円。隣村の無料小学校の生徒に制服を製作、支給プロジェクトに40万5534円、インドの少女人身売買支援団体への寄付、83万7000円。児童養護施設の自立支援金10万円。なお、慈しみ活動報告書印刷費、郵送費、事務経費、インドへの出張航空費等は天徳寺が負担)。慈しみで出た残金は手術が必要な少女の手術代に使わせて頂きます。また、経過の情報をマスコミに流して、今一度寄付を募ろうと考えています。